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【第102話】ルールを決める人、従う人|ITパスポート 令和5年度 問53

~ツンデレ女子大生と東大パソコンオタクの、ちょっと不器用な勉強会~

第102話|終章 場所:卒業式

登場人物

美咲

美咲(みさき)

女子大生。就活のエントリーシートの資格欄が真っ白なことに気づき、慌ててITパスポートの勉強を開始。ITは完全に素人。高校時代は可愛くて人気者だったので、ちょっとプライドが高い。素直じゃない。

拓也

拓也(たくや)

美咲の高校時代の同級生。東京大学工学部。子どもの頃からパソコンばかりいじってきた生粋のオタク。実は美咲のことが好きだが、10年近く言い出せていない。教えるのは得意だが、口が悪いのが玉に瑕。

卒業式

今日の問題

今日の問題

ITが適切に活用されるために企業が実施している活動を、ルールを決める活動と、ルールに従って行動する活動に分けたとき、ルールを決める活動に該当するものはどれか。

  • IT投資判断基準の確立
  • SLA遵守のためのオペレーション管理
  • 開発プロジェクトの予算管理
  • 標準システム開発手法に準拠した個別プロジェクトの推進

第1幕:袴姿で、校門の前で

3月末。美咲の大学の卒業式。式を終えた美咲が、袴姿のまま校門で待っていた拓也のもとへ駆けてくる。手には式次第のパンフレットが握られている。

美咲

美咲

見て、この式次第。入場から答辞まで、時間も順番もきっちり決まってるのよ

拓也

拓也

あ、それ、今日の問題にちょうどいい話だ

美咲

美咲

卒業式の日まで繋げるの、もう筋金入りね

拓也

拓也

今回は本当に、その式次第の仕組みがそのままヒントなんだって

第2幕:標準手法に準拠してるやつでしょ

校門脇のベンチで、美咲がパンフレットを片手に答える。

美咲

美咲

じゃあ答えるわね。これでしょ。『標準的な手法に準拠して推進する』

拓也

拓也

お、なんでそう思った?

美咲

美咲

だって、"準拠して進める"って、なんかちゃんとルールに沿って物事を動かしてる感じがしたのよね

拓也

拓也

発想はわかるんだけど、実は"準拠して進める"のは、すでにあるルールに"従ってる"側。今日聞かれてるのは、ルールを"決める"側なんだ

美咲

美咲

え、違うの?

拓也

拓也

うん。"沿って動く"ことと、"最初にルールを作る"ことは、似てるようで逆の立場なんだよ

第3幕:決める側と、従う側

拓也は、美咲が持っていた式次第を指さした。

拓也

拓也

この式次第、誰が決めたと思う?

美咲

美咲

そりゃ、卒業式の実行委員会でしょ

拓也

拓也

そのとおり。実行委員会が"進行ルール"を決めて、俺たち参列者はそのルールに従って、粛々と入場したり起立したりする。この"決める側"と"従う側"の違いが、今日の問題のポイントなんだ

美咲

美咲

あ……!  "IT投資判断基準の確立"も、実行委員会みたいに"これから何を基準に投資を判断するか"を最初に決める活動ってことね

拓也

拓也

そのとおり。正解はアIT投資判断基準の確立は、まさにルールを"決める"活動。それ以外の選択肢は全部、すでにあるルールに"従う"活動なんだ

美咲

美咲

なるほどね……。決める側と従う側、卒業式で例えると分かりやすいわね

第4幕:……ちょっと待って、設定が

美咲が卒業証書を掲げ、写真を撮ってほしいとせがんだ。

美咲

美咲

ほら、早く撮ってよ

拓也

拓也

あ、うん。……ちょっと待って、設定が

拓也はスマホのカメラアプリを開き、露出やホワイトバランスを真剣にいじり始めた。

美咲

美咲

……何、その真剣な顔

拓也

拓也

逆光気味だから、ちゃんと補正しないと。あと構図もこっちのほうが

美咲

美咲

早くしなさいよ、恥ずかしいんだけど、いつまでもこの格好で立たされるの

拓也

拓也

もうちょい……あと少しだけ

美咲

美咲

あんたの"あと少し"、いつも長いのよ

拓也

拓也

面目ない……。つい、こだわってしまって

美咲

美咲

気持ちはありがたいけど、普通に撮ってくれればいいから

第5幕:残りの選択肢を片付ける

写真をようやく撮り終え、拓也が気を取り直して続ける。

美咲

美咲

……気を取り直して。残りのも教えて

拓也

拓也

イの『SLA遵守のためのオペレーション管理』は、すでに決まったSLA(品質基準)を守るために、日々運用する活動。これはルールに"従う"側

美咲

美咲

ウは?

拓也

拓也

ウの『開発プロジェクトの予算管理』も、決められた予算の枠内で管理・実行する活動。これもルールに"従う"側なんだ

美咲

美咲

投資基準を確立するのが"決める側"、SLA遵守も予算管理も標準手法への準拠も、全部"従う側"。式次第を決める実行委員会と、それに従う参列者、みたいな関係なのね

拓也

拓也

完璧な整理。"決める"活動と"従う"活動、この2つを区別できると、この手の問題は迷わなくなるよ

問題文(再掲)

ITが適切に活用されるために企業が実施している活動を、ルールを決める活動と、ルールに従って行動する活動に分けたとき、ルールを決める活動に該当するものはどれか。

  • IT投資判断基準の確立
  • SLA遵守のためのオペレーション管理
  • 開発プロジェクトの予算管理
  • 標準システム開発手法に準拠した個別プロジェクトの推進

まとめ:選択肢ごとの答え合わせ

選択肢内容正誤
IT投資判断基準の確立(ルールを決める活動)正解
SLA遵守のためのオペレーション管理(ルールに従う活動)不正解
開発プロジェクトの予算管理(ルールに従う活動)不正解
標準システム開発手法に準拠した推進(ルールに従う活動)不正解

答えア IT投資判断基準の確立

覚え方のコツ

式次第を決めるのは実行委員会、従うのは参列者。ITも同じ構図。

エピローグ

夕方の校門前、桜が少しずつ咲き始めていた。美咲は卒業証書の入った筒を大事そうに抱えている。

美咲

美咲

……なんか、あっという間だったな

拓也

拓也

うん

美咲

美咲

あんたと、こんなに長く一緒に勉強するとも思ってなかったし

拓也

拓也

それは、俺も

美咲

美咲

結果、まだだけど……。ここまで来られたのは、あんたのおかげよ

拓也

拓也

……素直だな、今日は

美咲

美咲

卒業式くらい、素直になってもいいでしょ

拓也

拓也心の声

……美咲が卒業していく。これから先も、隣にいたい。この気持ち、もう誤魔化せないところまで来てる気がする

美咲

美咲

なに黙ってるのよ

拓也

拓也

いや、なんでもない。……おめでとう、卒業

美咲

美咲

ありがと

桜の花びらが一枚、二人の間をゆっくりと舞い落ちていった。

今日のポイントおさらい

  1. IT投資判断基準の確立=ルールを決める活動
  2. SLA遵守のためのオペレーション管理は、既存のルールに従う活動
  3. 開発プロジェクトの予算管理も、決められた枠内で実行するルールに従う活動
  4. 標準システム開発手法への準拠も、既存の手法(ルール)に従う活動
  5. 「ルールを決める」活動と「ルールに従う」活動を区別すると、この手の分類問題は整理しやすい

この記事はITパスポート試験 令和5年度 問53(マネジメント系/システム監査)の解説です。

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