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【第43話】SLA後もモニタリング必須|ITパスポート 令和3年度 問53

~ツンデレ女子大生と東大パソコンオタクの、ちょっと不器用な勉強会~

第43話|第2部 場所:コンビニ

登場人物

美咲

美咲(みさき)

女子大生。就活のエントリーシートの資格欄が真っ白なことに気づき、慌ててITパスポートの勉強を開始。ITは完全に素人。高校時代は可愛くて人気者だったので、ちょっとプライドが高い。素直じゃない。

拓也

拓也(たくや)

美咲の高校時代の同級生。東京大学工学部。子どもの頃からパソコンばかりいじってきた生粋のオタク。実は美咲のことが好きだが、10年近く言い出せていない。教えるのは得意だが、口が悪いのが玉に瑕。

コンビニ

今日の問題

今日の問題

IT サービスにおける SLM に関する説明のうち、適切なものはどれか。

  • SLM では、SLA で合意したサービスレベルを維持することが最優先課題となるので、サービスの品質の改善は補助的な活動となる。
  • SLM では、SLA で合意した定量的な目標の達成状況を確認するために、サービスの提供状況のモニタリングやレビューを行う。
  • SLM の目的は、顧客とサービスの内容、要求水準などの共通認識を得ることであり、SLA の作成が活動の最終目的である。
  • SLM を効果的な活動にするために、SLA で合意するサービスレベルを容易に達成できるレベルにておくことが重要である。

第1幕:夜のコンビニで

夜、コンビニに立ち寄った二人。飲み物を選びながら、美咲がレジの顔見知りの店員と、気さくに挨拶を交わしていた。

美咲

美咲

あ、こんばんは。今日も遅くまでお疲れさまです

店員が「美咲さん、最近よく来ますね」と笑いかける。美咲も「ここのコーヒー、美味しいので」と自然に返す。

拓也

拓也

……

美咲

美咲

なによ、黙り込んで

拓也

拓也

いや、別に

第2幕:合意書を作ることがゴールでしょ

イートインスペースに座り、拓也はノートパソコンを開いた。まだどこか、表情が硬い。

美咲

美咲

じゃあ答えるわね。これでしょ。『SLAの作成が活動の最終目的』

拓也

拓也

お、なんでそう思った?

美咲

美咲

だって、SLAって"合意書"なんでしょ。だったら、その合意書を作って、双方が納得すれば、それで一区切りって感じがするけど

拓也

拓也

……その発想、実はよくある勘違いなんだ。"合意書を作って終わり"じゃなくて、SLMは"作ったあとも続く活動"なんだよ

美咲

美咲

え、続くの?

拓也

拓也

うん。SLM(サービスレベルマネジメント)は、SLA(Service Level Agreement、サービスレベル合意書)で合意した内容を、その後もずっと維持・改善し続けるための管理活動。合意書を作ることは、あくまで出発点なんだ

第3幕:毎日チェックし続ける発注担当

拓也は、店内の発注端末をちらりと見た。

拓也

拓也

たとえば、このコンビニ。"品切れを出さない"っていう目標を一度決めたとしても、それで終わりじゃないよね

美咲

美咲

うん。毎日、売れ行きとか在庫を見ながら、発注し続けないといけないものね

拓也

拓也

それと同じで、SLMも"SLAで合意した目標が、実際に達成できているか"を、継続的にモニタリングしたりレビューしたりする活動なんだ

美咲

美咲

あ……!  "約束を作る"だけじゃなくて、"約束がちゃんと守られてるか、確認し続ける"のがSLMなのね

拓也

拓也

そのとおり"SLAで合意した定量的な目標の達成状況を確認するために、モニタリングやレビューを行う"のが、SLMの本質正解はイ

美咲

美咲

なるほどね……。合意して終わりじゃなくて、そこからが本番なんだ

第4幕:別に、妬いてない

説明の途中、さっきの店員が「美咲さん、新商品のおにぎり、試食してみます?」と話しかけてくる。美咲が笑顔で「ありがとうございます、いただきます」と答えた。

拓也

拓也

……

美咲

美咲

またその顔してる。さっきから、何なのよ

拓也

拓也

別に、なんでもない

美咲

美咲

絶対なんでもなくないでしょ。ずっと不機嫌そうな顔してるじゃない

拓也

拓也

……その店員さんと、随分親しそうだったから

美咲

美咲

あ……もしかして、妬いてるの?

拓也

拓也

べ、別に、妬いてないし。ただ、感じの良い対応だなと思っただけで

美咲

美咲

今、思いっきり動揺したじゃない

拓也

拓也

……面目ない。大人げなかった

美咲

美咲

まあ、いいけど。……べ、別に、あんた以外に興味ないんだから、そんな顔しなくていいのに

そう言った美咲の頬が、心なしか赤らんでいた。

第5幕:残りの選択肢を片付ける

気を取り直して、美咲がノートに向き直る。

美咲

美咲

……気を取り直して。残りのも教えて

拓也

拓也

アは、"品質の改善は補助的な活動"としてるけど、これは逆。SLMでは、サービスレベルの維持だけじゃなくて、"継続的な品質改善"も重要な活動の一つなんだ

美咲

美咲

エは?

拓也

拓也

エは、"達成しやすい低い目標にしておくべき"って書いてあるけど、これも誤り。目標を低く設定してしまうと、サービス品質の向上につながらない。適切な水準で目標を設定して、それを維持・改善していくことが大事なんだ

美咲

美咲

品質改善は補助的じゃなくて重要、目標は達成しやすく下げるんじゃなくて適切な水準を保つ。……どっちも、"楽な方に逃げちゃダメ"ってことね

拓也

拓也

うまいまとめ。SLMは、"合意したら終わり"でも"楽に達成できればいい"でもなくて、継続的にちゃんと向き合い続ける活動なんだ

問題文(再掲)

IT サービスにおける SLM に関する説明のうち、適切なものはどれか。

  • SLM では、SLA で合意したサービスレベルを維持することが最優先課題となるので、サービスの品質の改善は補助的な活動となる。
  • SLM では、SLA で合意した定量的な目標の達成状況を確認するために、サービスの提供状況のモニタリングやレビューを行う。
  • SLM の目的は、顧客とサービスの内容、要求水準などの共通認識を得ることであり、SLA の作成が活動の最終目的である。
  • SLM を効果的な活動にするために、SLA で合意するサービスレベルを容易に達成できるレベルにておくことが重要である。

まとめ:選択肢ごとの答え合わせ

選択肢内容正誤
品質改善は補助的な活動不正解(品質改善も重要な活動)
合意目標の達成状況をモニタリング・レビューする正解
SLAの作成が最終目的不正解(作成はあくまで出発点)
目標は達成しやすいレベルにしておく不正解(適切な水準を維持すべき)

答えイ SLAで合意した定量的な目標の達成状況を確認するために、サービスの提供状況のモニタリングやレビューを行う

覚え方のコツ

合意して終わりじゃない。そこからが本番。

エピローグ

コンビニを出て、夜道を歩きながら、美咲がぽつりと言った。

美咲

美咲

さっきのこと、まだ根に持ってる?

拓也

拓也

いや、もう大丈夫。自分でもちょっと大人げなかったと思ってる

美咲

美咲

……珍しいわよね、あんたがあんな顔するの

拓也

拓也

俺も、自分でびっくりした

美咲

美咲

ふうん。……まあ、たまにはそれくらい、素直に出してもいいんじゃない?

拓也

拓也

それ、どういう意味?

美咲

美咲

さあ、どういう意味かしらね

美咲は、そう言って前を向いたまま、少し早足で歩き出した。

拓也(……今の、機嫌よさそうに見えるのは、気のせいじゃないよな)

夜のコンビニの明かりが、二人の後ろで小さくなっていった。

今日のポイントおさらい

  1. SLM(サービスレベルマネジメント)=合意した目標の達成状況を継続的にモニタリング・レビューする活動
  2. SLAの作成は活動の出発点であり、最終目的ではない
  3. サービスレベルの維持だけでなく、継続的な品質改善も重要な活動の一つ
  4. 目標は達成しやすく下げるのではなく、適切な水準を維持し続けることが求められる
  5. SLMは「合意して終わり」ではなく、合意した後も続く管理活動である

この記事はITパスポート試験 令和3年度 問53(マネジメント系/サービスマネジメント)の解説です。

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