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【第48話】情報量が、桁違い|ITパスポート 令和4年度 問20

~ツンデレ女子大生と東大パソコンオタクの、ちょっと不器用な勉強会~

第48話|第2部 場所:病院

登場人物

美咲

美咲(みさき)

女子大生。就活のエントリーシートの資格欄が真っ白なことに気づき、慌ててITパスポートの勉強を開始。ITは完全に素人。高校時代は可愛くて人気者だったので、ちょっとプライドが高い。素直じゃない。

拓也

拓也(たくや)

美咲の高校時代の同級生。東京大学工学部。子どもの頃からパソコンばかりいじってきた生粋のオタク。実は美咲のことが好きだが、10年近く言い出せていない。教えるのは得意だが、口が悪いのが玉に瑕。

病院

今日の問題

今日の問題

あるデータを表現するために、1個のJANコードか1個のQRコードのどちらかの利用を検討する。表現できる最大のデータ量の大きい方を採用する場合、検討結果として、適切なものはどれか。

  • JANコードを採用する。
  • QRコードを採用する。
  • 表現する内容によって最大のデータ量は変化するので決められない。
  • 表現できる最大のデータ量は同じなので決められない。

第1幕:定期検診の待合室で

美咲の定期健康診断に、拓也が付き添いで来ていた。会計窓口の近くに、患者の名前や処方情報が印字されたQRコード付きのリストバンドと、薬棚に貼られた昔ながらの縦線だけのバーコードが、並んで見えている。

美咲

美咲

あの二つ、見た目全然違うけど、どっちも同じような役割よね

拓也

拓也

見た目は全然違うけど、実は"持てる情報量"が桁違いなんだ

美咲

美咲

へえ、そうなの?

拓也

拓也

ちょうど今日の問題、それなんだ

第2幕:内容によって変わるから決められないでしょ

美咲

美咲

じゃあ答えるわね。これでしょ。『表現する内容によって最大のデータ量は変化するので決められない』

拓也

拓也

お、なんでそう思った?

美咲

美咲

だって、書き込む内容次第で、必要なデータ量って変わってくるじゃない。だから、"どっちが多い"なんて、一概には決められないのかなって

拓也

拓也

その発想、すごく理系っぽくて悪くないんだけど、今回聞かれてるのは"実際に何を書き込むか"じゃなくて、"仕組みとして、最大どれだけ詰め込めるか"の話なんだ

美咲

美咲

あ、"上限"の話ってこと?

拓也

拓也

そのとおりJANコードとQRコード、それぞれの"最大収容能力"を比べる問題なんだ

第3幕:一列の数字と、縦横に敷き詰められる情報

拓也は、薬棚のバーコードとリストバンドのQRコードを見比べた。

拓也

拓也

JANコードは、あの縦線が並んだだけのバーコード。基本的に13桁の数字を表現するだけの、一次元のコードなんだ

美咲

美咲

うん、レジでピッてやるやつよね

拓也

拓也

それに対してQRコードは、縦と横、両方向に情報を敷き詰められる二次元のコード。数字だけじゃなくて、英字や記号、日本語まで、JANコードとは比較にならないくらい大量の情報を持てるんだ

美咲

美咲

あ……!  一列に並んでるだけの情報と、縦横に敷き詰められる情報だと、そもそも入れられる量の桁が違うのね

拓也

拓也

そのとおり"表現できる最大のデータ量が大きいほう"を選ぶなら、QRコードが正解正解はイ。JANコードは、そもそも構造上、大量のデータを持たせる設計になっていないんだ

美咲

美咲

なるほどね……。内容によって変わるとかじゃなくて、そもそもの"入れ物の大きさ"が全然違ったのね

第4幕:お人好しすぎて

会計の順番待ちをしていると、拓也の前に、荷物を抱えたお年寄りが困った様子で立っていた。

拓也

拓也

あ、どうぞ、お先に

美咲

美咲

……あんた、また順番譲ったの?

拓也

拓也

いや、大変そうだったから

しばらくして、今度はベビーカーを押した母親が近づいてくる。

拓也

拓也

あ、どうぞどうぞ、お先に

美咲

美咲

ちょっと、さっきからずっと譲ってるじゃない。このままだと、いつまで経ってもうちの番来ないわよ

拓也

拓也

……たしかに、気づいたら結構な人数に譲ってた

美咲

美咲

気持ちはわかるけど、いい加減にしなさいよ。私だって、検診の後、疲れてるんだから

拓也

拓也

面目ない……。次からは、ちゃんと自分たちの番も大事にする

美咲

美咲

まあ、あんたが優しいのは知ってるけど、限度ってものがあるのよ

結局、二人の会計は、予定より20分ほど遅れてしまった。

第5幕:残りの選択肢を片付ける

ようやく会計を終え、待合室のベンチに座ったところで、美咲が気を取り直してノートを開く。

美咲

美咲

……気を取り直して。残りのも教えて

拓也

拓也

アは、"JANコードを採用する"としてるけど、これは逆。JANコードのほうが、表現できる最大データ量は少ないから、今回の条件には合わない

美咲

美咲

エは?

拓也

拓也

エの"最大のデータ量は同じ"は、そもそも事実として誤り。JANコードとQRコードでは、構造も収容できる情報量も、明確に違うんだ

美咲

美咲

内容次第で決まるわけじゃなくて、そもそもJANコードとQRコードは、入れ物の大きさが違う。同じでもない。……だから、大きいほうを選ぶなら、素直にQRコード一択なのね

拓也

拓也

完璧な結論。仕組みそのものの違いを理解しておけば、内容がどうであれ、この手の比較問題には迷わなくなるよ

問題文(再掲)

あるデータを表現するために、1個のJANコードか1個のQRコードのどちらかの利用を検討する。表現できる最大のデータ量の大きい方を採用する場合、検討結果として、適切なものはどれか。

  • JANコードを採用する。
  • QRコードを採用する。
  • 表現する内容によって最大のデータ量は変化するので決められない。
  • 表現できる最大のデータ量は同じなので決められない。

まとめ:選択肢ごとの答え合わせ

選択肢内容正誤
JANコードを採用する不正解(データ量はQRコードより少ない)
QRコードを採用する正解
内容によって変化するので決められない不正解
最大データ量は同じなので決められない不正解

答えイ QRコードを採用する

覚え方のコツ

一列の数字か、縦横に敷き詰めるか。入れ物の大きさがそもそも違う。

エピローグ

病院の玄関を出ると、夕方の風が涼しかった。

美咲

美咲

今日は、待ち時間長かったわね

拓也

拓也

ほんとにごめん。次からは自重する

美咲

美咲

まあ、いいのよ。あんたが誰にでも優しいの、悪いことじゃないし

拓也

拓也

フォローしてくれるんだ

美咲

美咲

……別に、フォローってわけじゃないけど。ただ、そういうところ、嫌いじゃないから

拓也(……今の、結構嬉しい言い方だったな)

美咲

美咲

なに黙ってるのよ

拓也

拓也

いや、なんでもない。……今度からは、ちゃんと自分たちの分も確保する

美咲

美咲

それでいいのよ

二人は、並んで駅への道を歩いていった。

今日のポイントおさらい

  1. QRコードは、JANコードより表現できる最大データ量が大きい
  2. JANコードは一次元(一列)のコードで、基本的に13桁の数字を表現するだけ
  3. QRコードは二次元(縦横)のコードで、数字・英字・日本語まで大量の情報を持てる
  4. 「最大データ量」は、書き込む内容ではなく、コードの仕組みそのものによって決まる
  5. 一次元コードと二次元コードは、入れ物の構造そのものが違うと理解しておくと迷わない

この記事はITパスポート試験 令和4年度 問20(ストラテジ系/法務)の解説です。

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