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【第95話】私物端末を仕事にも使う制度|ITパスポート 令和4年度 問17

~ツンデレ女子大生と東大パソコンオタクの、ちょっと不器用な勉強会~

第95話|第4部 場所:ファミレス

登場人物

美咲

美咲(みさき)

女子大生。就活のエントリーシートの資格欄が真っ白なことに気づき、慌ててITパスポートの勉強を開始。ITは完全に素人。高校時代は可愛くて人気者だったので、ちょっとプライドが高い。素直じゃない。

拓也

拓也(たくや)

美咲の高校時代の同級生。東京大学工学部。子どもの頃からパソコンばかりいじってきた生粋のオタク。実は美咲のことが好きだが、10年近く言い出せていない。教えるのは得意だが、口が悪いのが玉に瑕。

ファミレス

今日の問題

今日の問題

BYODの事例として、適切なものはどれか。

  • 会社から貸与されたスマートフォンを業務中に私的に使用する。
  • 会社から貸与されたスマートフォンを業務で使用する。
  • 会社が利用を許可した私物のスマートフォンを業務で使用する。
  • 私物のスマートフォンを業務中に私的に使用する。

第1幕:模試の結果

3月、二人はいつものファミレスにいた。美咲が、少し緊張した顔で一枚の紙を取り出す。

美咲

美咲

……模試の結果、返ってきたの。見る?

拓也

拓也

うん、見せて

紙を受け取った拓也が、点数の欄に目を落とす。前回よりも大きく伸びた数字が、そこにはあった。

拓也

拓也

……すごいじゃん。全分野、余裕で基準点超えてる

美咲

美咲

でしょ!  私、伸びてるでしょ!

拓也

拓也

うん。……本当に、伸びたんだな

第2幕:貸与スマホを業務で使うことでしょ

喜びも落ち着いた頃、美咲が就活情報誌の記事に目を留める。「BYODを導入する企業が増加」という見出しだった。

美咲

美咲

じゃあ、今日はこの問題ね。これでしょ。『会社から貸与されたスマホを業務で使う』

拓也

拓也

お、なんでそう思った?

美咲

美咲

だって、"スマホを仕事で使う"って言われたら、それが普通のイメージだったのよね

拓也

拓也

発想はわかるんだけど、実は"会社のスマホを仕事で使う"のは、当たり前のことだから、わざわざBYODって呼ぶ必要がないんだ

美咲

美咲

え、違うの?

拓也

拓也

うん。BYODは、Bring Your Own Deviceの略。"自分の持ち物を持ち込む"っていう発想の転換がポイントなんだ

第3幕:会社の持ち物じゃなくて、自分の持ち物

拓也は、情報誌の記事を指さした。

拓也

拓也

これまでは、会社が用意した機器を使うのが当たり前だったよね。でもBYODは、"私物のスマホを、会社が許可したうえで、業務に使わせてもらう"仕組みなんだ

美咲

美咲

あ……!  会社が用意するんじゃなくて、自分の持ち物を使わせてもらう、っていう逆の発想なのね

拓也

拓也

そのとおり。正解はウ会社が利用を許可した私物のスマートフォンを、業務で使用する。これがBYODの事例なんだ。使い慣れた自分の端末を仕事にも使えるから、効率が上がるっていうメリットがある一方で、セキュリティ管理が難しくなるっていう課題もあるんだよ

美咲

美咲

なるほどね……。就職したら、こういう制度にも出会うのかもね

第4幕:本当に、伸びたんだな

説明を終えた拓也は、さっきの模試の結果をもう一度眺めていた。

美咲

美咲

ねえ、聞いてる?

拓也

拓也

あ、ごめん。……本当に、よく頑張ったなと思って

美咲

美咲

なによ、急にしみじみして

拓也

拓也

いや……。最初の頃、全然わからないって半泣きだったのに、ここまで来たんだなって

美咲

美咲

あんたが根気よく教えてくれたからでしょ

拓也

拓也

……うん

拓也は笑ってそう答えたが、その笑顔の端に、ほんの少しだけ、寂しさのようなものが滲んでいた。美咲はそれに気づかないまま、結果を鞄にしまい直す。

拓也

拓也心の声

……このペースなら、本当に、もうすぐ受かる。それは、嬉しいことのはずなんだけどな

美咲

美咲

なに黙ってるのよ

拓也

拓也

いや、なんでもない。……次の模試も、この調子で頑張ろう

美咲

美咲

うん!  次はもっと伸ばす

第5幕:残りの選択肢を片付ける

気を取り直して、拓也がノートに向き直る。

美咲

美咲

……気を取り直して。残りのも教えて

拓也

拓也

アの『貸与されたスマホを業務中に私的に使用する』は、会社の持ち物を私用で使ってるだけだから、BYODとは関係ないんだ

美咲

美咲

エは?

拓也

拓也

エの『私物のスマホを業務中に私的に使用する』も、そもそも業務に関係なく私用してるだけ。BYODの"業務で使う"という条件を満たしてないんだ

美咲

美咲

私物端末を許可のもとで業務利用するのがBYOD、貸与端末の私的利用も、貸与端末の業務利用も、私物端末の私的利用も、全部条件を満たしてないのね

拓也

拓也

完璧な整理。"誰の持ち物か"と"何に使ってるか"、この2つの組み合わせを意識すると、BYODの事例も迷わなくなるよ

問題文(再掲)

BYODの事例として、適切なものはどれか。

  • 会社から貸与されたスマートフォンを業務中に私的に使用する。
  • 会社から貸与されたスマートフォンを業務で使用する。
  • 会社が利用を許可した私物のスマートフォンを業務で使用する。
  • 私物のスマートフォンを業務中に私的に使用する。

まとめ:選択肢ごとの答え合わせ

選択肢内容正誤
貸与端末を私的に使用する不正解
貸与端末を業務で使用する(通常利用)不正解
私物端末を許可のもとで業務利用する(BYOD)正解
私物端末を私的に使用する不正解

答えウ 会社が利用を許可した私物のスマートフォンを業務で使用する

覚え方のコツ

会社の持ち物じゃなくて、自分の持ち物。それがBYODの発想。

エピローグ

ドリンクバーのグラスを片付けながら、拓也は静かに窓の外を見ていた。

美咲

美咲

今日は、なんだかんだ幸先いい日だったわね

拓也

拓也

うん、本当に

美咲

美咲

あんたのおかげよ。ちゃんとお礼、言っておく

拓也

拓也

そんな、改まって言わなくていいのに

美咲

美咲

たまにはいいでしょ、こういうの

拓也

拓也心の声

……美咲がどんどん一人で歩いていけるようになってる。それが誇らしくて、少しだけ寂しい。……変な感情だな

美咲

美咲

なに黙ってるのよ、さっきから

拓也

拓也

いや、なんでもない。……この調子で、最後まで一緒に頑張ろう

美咲

美咲

うん、もちろん

窓の外では、3月の夜がゆっくりと更けていった。

今日のポイントおさらい

  1. BYOD(Bring Your Own Device)=会社が許可した私物の端末を、業務で使用すること
  2. 会社から貸与された端末を業務で使うのは、BYODとは呼ばない当たり前の利用
  3. 貸与端末・私物端末を私的に使用するケースは、いずれもBYODの事例に当てはまらない
  4. BYODは、使い慣れた端末で効率が上がる一方、セキュリティ管理の課題もある
  5. 「誰の持ち物か」と「何に使っているか」を組み合わせて整理すると、事例を混同しにくい

この記事はITパスポート試験 令和4年度 問17(ストラテジ系/システム戦略)の解説です。

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