登場人物
美咲(みさき)
女子大生。就活のエントリーシートの資格欄が真っ白なことに気づき、慌ててITパスポートの勉強を開始。ITは完全に素人。高校時代は可愛くて人気者だったので、ちょっとプライドが高い。素直じゃない。
拓也(たくや)
美咲の高校時代の同級生。東京大学工学部。子どもの頃からパソコンばかりいじってきた生粋のオタク。実は美咲のことが好きだが、10年近く言い出せていない。教えるのは得意だが、口が悪いのが玉に瑕。
今日の問題
今日の問題
インクジェットプリンタの印字方式を説明したものはどれか。
- アインクの微細な粒子を用紙に直接吹き付けて印字する。
- イインクリボンを印字用のワイヤなどで用紙に打ち付けて印字する。
- ウ熱で溶けるインクを印字ヘッドで加熱して用紙に印字する。
- エレーザ光によって感光体にトナーを付着させて用紙に印字する。
第1幕:運動不足解消、初めてのジムで
3月、運動不足を解消しようと、二人は初めてトレーニングジムに来ていた。マシンの脇に、消毒用のスプレーボトルが置かれている。
美咲
このスプレー、細かい霧になって出るのね
拓也
あ、それ、今日の問題にちょうどいい話だ
美咲
ジムに来てまで繋げるの、もう才能ね
拓也
今回は本当に、そのスプレーの仕組みがそのままヒントなんだって
第2幕:レーザー光でトナーを付けるやつでしょ
マシンの合間のベンチで、拓也がノートを広げる。
美咲
じゃあ答えるわね。これエでしょ。『レーザ光でトナーを付着させる』
拓也
お、なんでそう思った?
美咲
だって、プリンタって言われたら、会社とかでよく見る、レーザープリンタのイメージが強かったのよね
拓也
発想はわかるんだけど、実はエの説明は、レーザープリンタの仕組み。今日の問題が聞いてるのは、"インクジェット"プリンタの仕組みなんだ
美咲
え、違うの?
拓也
うん。レーザープリンタは、レーザ光でトナー(粉末)を付着させる方式。インクジェットプリンタは、まったく別の仕組みで印字してるんだ
第3幕:霧吹きで、直接吹きかける
拓也は、さっきのスプレーボトルを指さした。
拓也
このスプレー、霧状の液体を、対象に直接吹きかけてるよね
美咲
うん、細かい霧になってるわね
拓也
インクジェットプリンタも同じ発想。インクを、ものすごく細かい粒子にして、用紙に直接吹き付けて印字するんだ
美咲
あ……! このスプレーみたいに、インクを霧状にして直接吹きかけてるってことね
拓也
そのとおり。正解はア。インクの微細な粒子を、用紙に直接吹き付けて印字する。これがインクジェットプリンタの印字方式なんだ。家庭用プリンタに多いタイプだね
美咲
なるほどね……。ジムのスプレーとプリンタが繋がるとは思わなかったわ
第4幕:……あ、これ戻し方違った
説明を終えた拓也が、使い終えたマシンの器具を、適当な場所に置こうとした。
美咲
ちょっと、それ、そこじゃないでしょ
拓也
え?
拓也
……あ、これ戻し方違った
壁に貼られた案内図を見ると、器具ごとに戻す場所が細かく決まっていた。
美咲
初めてだからって、案内図くらい見なさいよね
拓也
面目ない……。まったく見てなかった
美咲
マナー違反、恥ずかしいでしょ
拓也
以後、ちゃんと確認します
美咲
私も人のこと言えないけど、あんたよりは案内図見てたわよ
拓也
その差、地味に悔しい
第5幕:残りの選択肢を片付ける
器具を正しい位置に戻し、拓也が気を取り直して続ける。
美咲
……気を取り直して。残りのイとウも教えて
拓也
イの『インクリボンをワイヤで打ち付ける』は、ドットインパクトプリンタの仕組み。物理的に叩いて印字するから、複写伝票なんかに今でも使われてるんだ
美咲
ウは?
拓也
ウの『熱で溶けるインクを加熱して印字する』は、感熱転写プリンタの仕組み。レシートなんかによく使われてる方式だね
美咲
インクジェットは吹き付け、ドットインパクトは打ち付け、感熱転写は加熱、レーザーはトナー付着。……印字の仕組みだけでも、こんなに種類があるのね
拓也
完璧な整理。用途によって使い分けられてるから、それぞれの仕組みを知っておくと面白いよ
問題文(再掲)
インクジェットプリンタの印字方式を説明したものはどれか。
- アインクの微細な粒子を用紙に直接吹き付けて印字する。
- イインクリボンを印字用のワイヤなどで用紙に打ち付けて印字する。
- ウ熱で溶けるインクを印字ヘッドで加熱して用紙に印字する。
- エレーザ光によって感光体にトナーを付着させて用紙に印字する。
まとめ:選択肢ごとの答え合わせ
| 選択肢 | 内容 | 正誤 |
|---|---|---|
| ア | インクの微細な粒子を用紙に直接吹き付ける(インクジェット) | 正解 |
| イ | インクリボンをワイヤで打ち付ける(ドットインパクト) | 不正解 |
| ウ | 熱で溶けるインクを加熱する(感熱転写) | 不正解 |
| エ | レーザ光でトナーを付着させる(レーザープリンタ) | 不正解 |
答えア インクの微細な粒子を用紙に直接吹き付けて印字する
覚え方のコツ
霧吹きのように、インクを直接吹きかける。それがインクジェット。
- インクジェットプリンタ=インクの微細な粒子を用紙に直接吹き付けて印字する方式
- レーザープリンタはレーザ光でトナーを付着、ドットインパクトはワイヤで打ち付け、感熱転写は加熱してインクを溶かす
- それぞれ印字の仕組みが全く異なり、用途に応じて使い分けられている
エピローグ
運動を終え、二人はジムのロビーで一息ついていた。
美咲
今日は、あんたの初心者っぷりが目立った日だったわね
拓也
返す言葉もございません……。次はちゃんと下調べしてきます
美咲
そうしなさい。……でも、また来る気はあるのね、それ
拓也
うん、悪くなかったし
美咲
私も。……また付き合ってあげる
拓也心の声
……こうやって、新しいことを一緒に始められるの、地味にいいものだな
美咲
なに黙ってるのよ
拓也
いや、なんでもない。……次は案内図、ちゃんと見る
美咲
それでいいのよ、最初から
汗を拭きながら、二人はジムを後にした。
今日のポイントおさらい
- インクジェットプリンタ=インクの微細な粒子を用紙に直接吹き付けて印字する方式
- レーザープリンタは、レーザ光で感光体にトナーを付着させて印字する
- ドットインパクトプリンタは、インクリボンをワイヤなどで打ち付けて印字する
- 感熱転写プリンタは、熱で溶けるインクを加熱して印字する
- プリンタの印字方式は、「何を、どうやって用紙に定着させるか」で区別すると混同しにくい
この記事はITパスポート試験 令和4年度 問94(テクノロジ系/ハードウェア)の解説です。